在宅看護の大切なポイント

人工呼吸器などの濃厚な医療的ケアを必要とする障害児も、在宅で生活することが多くなっています。そのため、訪問看護の分野で働く看護師は、適切な看護ケアを提供するために、重症心身障害児の特徴を把握しておく必要性がでてきています。重症心身障害児の場合、反りかえりなどの筋緊張亢進や側彎症などの姿勢や運動の異常という特徴的な病態があります。ほかにも、摂食・嚥下障害や呼吸障害、胃食道逆流が合併することも多いです。また、てんかんや睡眠障害、体温調節障害なども合併しやすくなっています。このように多くの合併症があるケースが一般的なため、看護ケアを含む医療依存度は非常に高いというのが特徴です。

また、小児期に発症するとされている重症心身障害児は、年齢に応じた心身の発達の可能性があります。一方で、早期機能低下の可能性もあるということも念頭におき、ケアを進めていくことが大切です。特に思春期以降は、側彎症などの体の変形拘縮が進行しやすくなっています。運動機能や摂食・嚥下機能、呼吸機能や排痰機能の低下などのからだの変化が現れ、体重の減少や誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるため、日々のバイタルチェックとともに小さな変化も見逃さないようにケアを進めていくことが重要です。

体の変化を感じ始めたら、介護や治療の方法を再検討する必要があるため、チームへの報告を怠らないことが大事になります。医療的なケアは適切な時期に導入しないと、QOLが非常に低い状態が継続して生命にかかわる事態も生じやすくなるため、十分に注意し、いつもと違うところはないか適切な観察が必要です。